ハワイと言えば青い海!「海」にまつわる英語
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ハワイを代表する楽器「ウクレレ」。でも、あの形はどうみてもヨーロッパの弦楽器に似ている?ウクレレの歴史を探ってみると、その源流はやはりヨーロッパにありました。ウクレレがどうやって海を渡ってハワイにやってきたのか。どうしてハワイアンが受け入れたのかを考えます。
ウクレレといえばハワイ、ハワイといえばウクレレ。ウクレレ無しにハワイアンは語れない……とまでいわれるハワイを代表する楽器ですが、実はウクレレはポルトガル生まれ。ウクレレの歴史は意外に浅く、19世紀後半にサトウキビ栽培の労働力としてハワイに移住してきたポルトガルの移民によってもたらされました。
クック船長のハワイ発見以降、ハワイには多くの外国人が訪れるようになります。彼らがもたらした物は急速な西洋化と病原菌。外から持ち込まれたバイ菌に抵抗力の無かったハワイアンは流行病でバタバタと倒れていきました。
時期を同じくして発展していたサトウキビ産業の働き手の多くが病に倒れ、労働者不足に陥っていたハワイ王朝は海外から広く移民を求めます。日本から多くの人がハワイに渡ったのもこの時です。移民の白羽の矢はポルトガルにも立てられました。
1879年、ポルトガル・マデイラ島からやってきた第二次移民船Ravenscrag号に3人の楽器職人(※)と2人の音楽家が乗っていました。楽器職人Augusto Dias、Jos do Espirito Santo、Manuel Nunesの3名と音楽家のJoao Luiz Correa、Joao Fernandesです。
※調べても「職人」とあるだけなのですが、ハワイに移住してすぐに楽器作りを始めていることから考えて、家具なども作るのでしょうが本業は楽器職人だったと思われます。
楽器職人の3人はすぐにハワイの木で楽器作りを始めます。主につくっていたのは故郷マデイラ島で収穫祭などのお祭りの時にギター、マンドリンと共に演奏される「ブラギーニャ(Braguinha)」でした。
なぜブラギーニャを率先してつくったのか。それは移民船がホノルル港に到着した直後の出来事が発端です。
乗船していた2人の音楽家は、ハワイに無事到着したことを神に感謝するためその場で演奏を行いました。その時、ホアオ・フェルナンデス(Joao Fernandes)は移民団で一緒だった乗客が持ち込んでいたブラギーニャを借りてマデイラ島のお祭りで演奏される楽曲を披露しました。それに合わせて移民団の皆が歌って踊りお祭り騒ぎになったといいます。その場に居合わせたハワイアン達も一緒になって大いに盛り上がり、陽気な音を奏でる小さなギター=ブラギーニャに大変な興味を示しました。
その後、3人の職人はハワイ特産の「コア」という木を使って楽器作りを開始します。製品のなかでも引き合いの多いブラギーニャが生産の中心になっていきます。ヨーロッパとは違う素材、気候に合わせて改良を加えるうちに徐々に変化してハワイ生まれの“ウクレレ”が誕生します。
よくあるパターンで諸説あります。
□イギリス軍人エドワード・パーヴィス説
1800年代、兵役を終えたエドワード・パーヴィスはハワイにやってきました。そこで出会ったのが3職人のつくっていたブラギーニャです。すぐに演奏法をマスターし、あちこちでコンサートを開始して大好評を博します。体の小さい彼が、全身でリズムをとりながら演奏する姿は「飛び跳ねるノミ」のように見えたので「UKU=ノミが LELE=飛び跳ねる」、彼の演奏している楽器も“ウクレレ”と呼ばれるようになりました。
□ホアオ・フェルナンデス(Joao Fernandes)の指説
ハワイの到着を祝ってホノルル港で演奏したホアオ・フェルナンデス。彼がブラギーニャを演奏しているときの指の動きがまるで「飛び跳ねるノミ」のように見えたことから、やはり同じ流れで“ウクレレ”。
□ハワイ王朝最後の女王の説
リリウオカラニ(Liliuokalani)はカラカウア王の妹でハワイ王朝最後の女王。彼女は「ブラギーニャはポルトガルからハワイへの贈りものである。だから“贈り物”という意味の“UKU”と“やってくる”という意味の“LELE”を組み合わせて“ウクレレ”と呼んだのだ」という説を唱えました。
ちなみに、名曲『アロハ・オエ(Aloha’oe)』を作詞したのはリリウオカラニです。
エドワード・パーヴィスもイオラニ宮殿に呼ばれて王、族の前で演奏していました。これらが複合していつの間にか「ウクレレ」という名前がついたのではないでしょうか。
ハワイの気候にピッタリをはまったその陽気な音色はハワイアンをたちまち虜にしました。サイズが小さくてどこにでも持っていけ、気が向けばすぐに演奏会を開くことができ、値段もスチールギターに比べてぐっとお手頃なウクレレはハワイ中に広がっていきます。
ウクレレがハワイにもたらした素晴らしいことは、それまでは詠唱と打楽器のリズムが中心だった民間音楽に、誰もが気軽に演奏できるメロディーを提供したことです。
楽器に触れたことがない人でも、ハワイに来ればウクレレに触れてみたくなるはず。ハワイで買ったウクレレがきっかけで音楽を始めた人も多いのです。ウクレレ工房では見学やワークショップを開催しているのでツアーのプランに加えてみてはいかがでしょうか。
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