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2017.12.18更新
ayaka
「メレ」と「フラ」を理解しハワイの人の心に近付いてみよう

 

「メレ」はハワイの音楽的原点


ハワイ文化を語る上で、「メレ」を外すことはできません。「メレ」とは、ハワイ語で、「チャント(詠唱)、歌、詩」などを意味します。「メレ」は神への祈り、伝説の継承などのために為され、ハワイ音楽の原点とも言われています。

ハワイに根付いている文化は音楽的にも、ポリネシア文化の影響を強く受けています。ハワイの音楽的原点はポリネシアもそうですが、「チャント(詠唱)」です。ハワイでは昔日から、これを「メレ」と呼んでいます。ポリネシア人は文字を持っていません。昔からの言い伝えや神への祈りをメレによって継承した背景があります。

メレは「メア・オリ(詠唱者)」によって唱えられる「メレ・オリ」であり、踊りを伴うことはありません。神々の誕生、人の死生、首長の誕生といった重要な儀式の瞬間に語られます。そして、歴史的出来事、伝説などを唱えます。

一般に、ひとつの「メレ(チャント)」は、息を吸い込んだ後、一気に唱えられます。「メレ」は霊的な力を言葉の形に表現する手段として考えても良いでしょう。心から発せられる言葉のひとつひとつが、聞き手に実践的なメッセージを与えるという側面があります。ある意味、祈祷の一種として考えても良いのではないでしょうか。メレに関わらず、世界的にも、古代から受け継がれている音楽には、そのようなスピチュアルな面が存在しています。

 

「メレ・フラ」は表裏一体な側面がある


踊りを伴う祈祷としてのメレは、「メレ・フラ」と呼称されます。「フラ」は、メレの意味を舞踊によって表現することが原点です。音楽によって表現するメレとは、ある意味反対的な対場にあると言えます。しかし、このふたつが合体すると、「メレ・フラ」という祈祷手段となります。

「フラ」はやがて形を変え、舞踏の補助的役割や叙情的な表現手段へと移行していきます。ポリネシアに浸透していたメレやフラを通じてのシャーマニズムが、タヒチなどから渡航してきたポリネシア人たちにより、新しい展開を見せることになりました。メレとフラが合体した「メレ・フラ」では、踊り手はメレの本質を動きで表現することが求められます。そのため厳しい訓練が求められることとなります。何故なら「メレ・オリ」の本質を体得、体現しなければ、踊り手がフラを習得することは不可能だからです。

「メレ・オリ」には繊細的な面があり、表現手段もそうしなければならず、破裂音や長母音などにも全て意味が存在しています。その影響からか、優秀なフラの踊り手もハワイ語の習得、そして、ハワイ語を深く理解していなければ、務まりません。メレとフラは表裏一体と表現しても良いでしょう。日本で言うならば、能と雅楽の関係性に酷似しています。

神聖な儀式で踊る特別なフラでは、選ばれし者だけが踊ることが可能でした。幼少時に踊り手に選ばれ、「クム・フラ(フラの師)」に師事し、長期間の厳しい修行を行います。修行を終了したと認定された者は「カプカイ」と呼称される浄化の儀式を行い、「ウキニ」と呼称される神前での儀式を行いました。これらを全て終了した者だけが、儀式でフラを披露することが可能となります。このフラは女性が踊ることは不可能でした。神への願いを込めた踊りは男が行うという古典的な手段を用いていたためです。

 

紡がれた言葉がモーションの隙間に埋まるのが本物の「フラ」


「メレ」の言葉の意味のひとつひとつを調べることは、大変地道な作業です。日本語とは違い、ひとつの言葉に様々な意味があるハワイ語では、どの言葉を当てはめたら良いのか、詩的な印象で、抽象的な表現はどう解釈したら良いのか、という疑問がたくさんあります。

フラダンサーはよく、「メレ」が存在しなければ踊ることは出来ないと言います。「メレ」と「フラ」は表裏一体と言われる所以でもありますが、ハワイの人の心を伝達する「メレ」とそのメッセージを、踊りで表現する「フラ」が生まれるという正のスパイラルをハワイの人は繰り返し、繰り返し、行っているわけです。

歌はハワイ語で「メレ」です。その歌を作成する人を「ハクメレ」と呼称します。「歌を紡ぐ人」とも呼称されます。フラで最も大切にされているものが、言葉です。紡がれた言葉のひとつひとつが、フラのモーションの隙間に繊細に埋まっていくのが本物のフラと言われています。メレの言葉を聞き取り、その言葉の意味を調べ、自分の言葉で内容を落とし込んでいくことが必要であり、背景を確認し、理解を深めていくプロセスが必要となります。

 

「メレ」と「フラ」はお互いの可能性を伸ばす存在である


「メレ」と「フラ」の関係性はこれからも、密接につながっていくことと思われます。これからも廃れることはありませんが、後世に伝承させていくためには、どちらかが突出するわけでもなく、切磋琢磨し、お互いの可能性を伸ばしていくことが必要です。

「メレ」の持つ言葉のメッセージ力が高まれば、「フラ」の表現力が増すといった構図が理想です。これがハワイ文化を構築していく上での正のスパイラルです。

文字を持たないポリネシア人がメレによって神への祈りを体現することが出来たのですから、これからもメレとフラは神への祈りを体現出来ます。ハワイを訪れたときは、このようなスピチュアルな観点から「メレ」と「フラ」に触れ合ってみましょう。そうすれば、ハワイの人の心に近付けることは確実となります。

 

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