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2017.7.28更新
Miki
【アーティストインタビュー】今注目のシンガーソングライター “ロン・アーティスII”

最近ハワイ音楽業界で「すごいミュージシャンがいる!」と話題になっている“ロン・アーティスII”。

ステージでは、ソウル、ブルースやファンクミュージックをパワフルに演奏し人々を魅了する。

前回インタビューしたウクレレ奏者ジェイク・シマブクロとも一緒に活動したり、8月にはジャック・ジョンソンのコンサートでもオープニングアクトを務めることが決まっています。

そんな今注目のミュージシャンにインタビューをしました。

 

 

“ロン・アーティスII”インタビュー


先日ワイメア渓谷でのライブを拝見し、ものすごいエネルギッシュで、メッセージ性の強いライブで感動しました。

ありがとうございます。

 

弟さんとも何曲か一緒に演奏していましたが、サンダーストーム(”雷雨”の意味)とはまたすごい名前ですね(笑)

 

そうなんですよ。弟は自分の名前をすごく気に入っているみたいです(笑)

 

でも、その名前の如くものすごいパワフルな演奏をしますよね。

全くその通りなんです!本当に名前の通り力強いパフォーマンスをするんです。

 

毎回その弟さんとやったり、他にもゲストミュージシャンがいたりするのでしょうか?

今、2つのグループで活動をしています。

1つは”Ron Artis II & Thunderstorm “で弟サンダーストームとのデュオです。

もう1つが”Ron Artis II & the Truth”でバンドになり、別の弟ステヴォンとベースプレイヤー のライリーの3人で、ソウル、ブルースやファンクミュージックを演奏しています。

もし単に”Ron Artis II”と僕の名前だけを見た場合は、その日のスペシャルプロジェクトで、色んなゲストミュージシャンが登場します。

 

オアフ島ノースショアのハレイワで育ち、現在はププケアに住んでらっしゃるそうですね?

 

はい、そうです。

 

いつハワイに引っ越してきたのですか?

僕が5歳の時に家族で引っ越してきました。父はテキサス州、母はカリフォルニア州出身で、僕もカリフォルニアで生まれました。

ところが、ある時両親は仕事でハワイに初めてやってきて、即顔見合わせて「ここから離れないぞ!」って話して決まったそうです(笑)

それからすぐカリフォルニアの家に戻って荷物まとめて、家族で引っ越してきたんです。そして、ノースショアのハレイワに住み始めました。

 

11人兄弟と伺いましたが?

はい、自分をいれて男6人と女5人の11人兄弟です。僕は上から2番目で、上には姉がいます。皆、ハワイに住んでいます。

 

亡くなられたお父様もノースショアでは知らない人はいない位有名なアーティストと伺っています。ご家族全員でアーティストのようですね。

はい。父は、画家でもありミュージシャンでもありました。父は、LAでモータウンなどと一緒に音楽活動をしていました。マイケル・ジャクソンとも公の場で一緒に演奏したりはありませんでしたが、スタジオで少しだけ仕事をしたことがあるようです。僕自身は、両親から音楽を学んだのです。母もシンガーで、父はたくさんの楽器を弾ける人でした。

(*ハレイワやワヒアワの町にある壁画はほとんど父Ron Artis作)

 

ロンさんは、何種類の楽器を弾けるのですか?

5つですね。ギター、ベース、ピアノ、ウクレレとドラムです。ただ、ドラムは、ハンドドラムになります。スティックを使うドラムセットはまだ初心者なので、まだ「できる」とは言えないですね。

 

その中で一番好きな楽器はどれですか?

ギターです。

 

最初に音楽を始めたのは何歳ですか?

覚えている限りでは、僕が4歳の頃で、ピアノを一番最初に教わりました。母は、シンガーで楽器は演奏しないのですが、ずっと「うまくなればお父さんと一緒に弾けるようになるわよ」と激励してくれていました。

父と一緒に演奏できるようになりたい!って思っていたので、それを目標に練習を頑張りました。

その夢を叶えた映像が実はYoutubeにあるんです。父の名”Ron Artis”と”Father and Son”と検索してもらえれば、僕たち親子ピアノ演奏している動画がみつかります。ジャズを弾いています。

 

一番最初に人前で演奏したのは何歳でしたか?

7〜8歳だったと思います。キーボードを弾いたのを覚えています。場所は、カイルアのコーヒーショップ「モーニングブリュー」でした。

 

20代の時にご両親に「歌手になりなさい」と言われたそうですね?

はい。小さい頃から(楽器を演奏する)ミュージシャンとして活動していましたが、歌を歌うことに関してはすごくシャイだったんです。

でも、僕が21〜22歳の時に、両親が『神があなたは歌手として成功するって言っている』と話してきて、『それは僕のことじゃないよ、きっと他の人のこと言っているんだよ。僕は決して歌手にはなれない、絶対無理だよ』と言ったのです。

それから2年間両親は僕を説得し続けましたが、僕はいくら歌っても音程がうまく取れていないと思っていたのです。

そして、2年経って、やはり僕は歌手としてやっていく自信はなく、でも、父は「お前はすごいよ!」って言っていて、意見が合わなかったので、ある取引きをしたのです。

父が「あともう一度だけパフォーマスをしよう。店を開けて、まず最初に入ってきたお客さんのために歌い、もしそのお客さんが気に入ったら、歌手として続けていくんだ。もし客が気に入らなかった辞めていい」と言ったので、「わかったよ。そうしよう」って言ったのです。

 

すごい賭けですね?!

手短に話すと、その当日ある歌手の女性が店に入ってきました。もちろん彼女が歌手だということは知りませんでした。そして、父が彼女に「私たちの演奏を聴きたいですか?」と尋ねたら、「ええ、聴きたいわ」と言うので、演奏を始めました。

僕は歌を歌う時はいつも目を閉じて歌うのですが、歌い終わった時に目を開けたら、その女性が涙を流して泣いていたのです。

僕は「あぁ、きっと僕の歌がひどくて泣いているんだ」って真剣に思いました。本当にそう思う位彼女は号泣していたのです。

 

本当にそうだったのですか?

いや、彼女に聞いたら、「すごい素晴らしかった。とても気に入ったのよ」って言うのです。それで「わかった。僕は歌手として続けていくんだ」と決心したのです。

 

彼女が一体誰だったのかわかったのでしょうか?

いいえ、結局彼女は名前も言わなかったので誰だかは未だにわからないのですが、ただ彼女の身の上話をしてくれました。

彼女はプロのオペラ歌手だったそうで、この時はバケーションでハワイに来ていました。

そして、その僕たちが出会った日から遡ること8年前、オペラ歌手として活動しながら、ベビシッターの仕事をしていたそうなのです。

ある日友達の3歳になる子供をベビシッターしていた時、男たちが家に押し入ってきて彼女を銃で撃ったのだそうです。しかも、胸を8発撃たれたのだと言います。命はどうにか助かったけれども「これで2度と私は歌を歌えない」ということだけが頭をよぎったと言います。歌を歌うのに大事な部分を撃たれてしまったわけです。

そう思って諦めていたところ、この若くてシャイな歌手が一生懸命歌っている姿を見て感化され「私ももう一度歌おう」って思わせてくれたって言うのです。

その話しを聞いたら「もう疑う余地はない、僕は歌を歌うことを続けていかなければいけないんだ」って思いました。

その日以来ほぼ毎日練習をしていますし、両親が説得し続けてくれたことに本当に感謝しています。そのおかげで今こうして自分の書いた曲をシェアできているわけですから。まさかこんな風になるなんて夢にも思ってませんでした。

 

そうなのですか?! では、もし歌手になってなかったら今何になっていたと思いますか?

単にミュージシャンだったと思います。他の歌手のバッグバンドのメンバーとしてギターやピアノを弾いていたと思います。

 

今ではどんどんとあなたの名前は知れ渡り活躍していますよね。8月には、ジャック・ジョンソンのコンサートでも演奏されるそうですね!

僕たちはノースショアに住んでいるので昔から知り合いで、小さなプロジェクトは一緒に前々からやってきていましたが、今回の様な大きなプロジェクトをやるのは初めてです。

実は、僕の最初のアルバム2枚は、彼がサポートしてくれているんです。

 

ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロもこのコンサートに出演しますよね?

そうなんです!彼もとても素晴らしいミュージシャンです。

面白いのが、ジェイクと一緒に演奏するとなると、「これやろうよ! できるだけシンプルにするから」って言うのですが、ジェイクは、全くと言っていいほどシンプルな曲知らないんですよ(笑)

ジェイクは「いや、大丈夫。これはシンプルだから!」って言うのですが、僕はいつも「いや、いや、いや、ジェイク、全然シンプルじゃないから」って言います(笑)

 

もうすぐ米本土でツアーですね。

(*インタビューしたのはツアー直前で、現在すでにツアー中)

はい、7月18日にハワイを出発して米本土にツアーに行きます。これが始まると11月まで終わらないのです。10月に一旦数週間ハワイに戻ってきますが、その後オーストラリアにも行って初のライブをします。この夏は忙しい夏になります。

 

どうやって皆さん、あなたのことを知るのでしょうか?

Youtubeで僕の音楽を知ってくれる人もいます。また、ハワイは観光の島なので、ここでライブ演奏していると、音楽関係者に出会うのです。もちろん観客にどんな人がいるなんて知らないわけですが、演奏が終わった後に「是非LAに来てよ!」とか「カリフォルニアに来て演奏してください」と声をかけられて、米本土でのライブが実現することもあります。

また、ジェイクとも一緒にカリフォルニアやポートランドにもサポートミュージシャンとして行って演奏していて、そこで色んな人との出会いがあり今の活動につながっています。

オーストラリアに関しては、向こうに住んでいる友達から「このミュージックフェスティバルはすごい有名だから試してみるといいよ!」って教えてくれて、それで、運営局にメールやYoutube動画を送ってみたら「いいね!是非参加してください」って返事をもらえて今回実現しました。

 

ライブではカバー曲はやらず、すべてオリジナルの曲だそうですね?

そうですね。基本的にオリジナル曲だけで、ごくたまに子供の時に好きだった曲、例えば『Over the Rainbow』とか歌いますが、でも、ほぼオリジナル曲のみで、全て自分が見て聞いたこと、人生を観察してインスパイアーされたことを書いています。

僕は、ポジディブな曲を書くことにフォーカスしています。というのも、あまりにもネガティブなことを書いた曲が溢れているからです。お金儲けのことだったり、カッコよくいこうぜ、みたいなことだったり。

大人はそういった曲を聴いても判断ができます。でも、10代の子たちにとっては、そういった音楽がそのまま自分の日々の生活に直結してしまうのです。

だから、僕は自分の曲はポジティブなものになるようかなり意識しています。

例えば「もし明日が人生最後の日だとしたら、自分が今まで創り出したものに対して満足ですか?」って自分自身や他のミュージシャンに問いかけるのですが、お金がたくさんあたって、車を何台も持ってたとしても、人生最後の日となったらそういったものは全く重要ではなくなります。

自分の人生を振り返り「自分が創ってきたものが、人を幸せにしてきた」って思えることが大事だと思っています。毎回の創作活動でこのこを肝に銘じながらやっています。

 

他の兄弟姉妹たちとも一緒にステージに立つことはないのですか?

昔はしていたのですが、今はそれぞれの生活が忙しくて一緒にやることは難しくなってしまいました。でも、またいつかまた実現できたらいいなと思っています。

 

そうなるとまるで”ハワイのジャクソン5”みたいですよね?

皆さんによくそのような言葉をかけて頂けますが、「確かに、兄弟たくさんいるけど、ただ父親に関しては、ジャクソン5のお父さんよりは、僕たちの父の方がまだナイスかな」って答えます(笑)ジャクソン5のお父さんはちょっと難しい人だったようですからね。

僕の父も厳しい人でしたが、良い先生でした。よく日本映画の『座頭市』や『宮本武蔵』シリーズを見ていて、それを見ては「ミュージシャンになるには、あの侍たちのように厳しいトレーニングをしないとダメだ」と言っていました。「もし単に楽しみたいだけなら、好きなようにやればいいけれど、もし良いミュージシャンになりたかったら、座頭市のあの侍のように真剣に練習しないとダメだ。先生も正直な先生がいい。『僕の演奏どうですか?』って聞いた時に正直にダメな時はダメと言ってくれる先生がいいんだ」と言っていました。僕の妻もよく言っているのですが、『正直にNoと言ってくれる人こそがYesと言った時に本当のYesを意味する』と。いつでも「Yes」という人の言葉は、何の意味もなさないのです。ダメな時はダメと言う人が、「Yes」と言ってくれた時こそ真意であり、それがまた自分への自信へとつながっていくのです。

僕が若かった頃など、父はよくコンサートの最中でも、ステージにやってきて中断させることもありました。

「何を演奏してるんだ?なぜ演奏しているんだ? この質問に答えられなければダメだ。音楽は会話なんだよ。ステージ上では、たくさんのプレイヤーと一緒に曲を演奏しているのだけれども、その曲にはいりこんで、今こうやって会話しているように演奏しないとダメなんだ。

ステージ上の演奏者たちは一人一人平等に重要なんだよ。皆鎖でつながっているようにお互いが必要なんだ。それがソウルミュージックなんだよ」と教わりました。そんな父の教えに本当に感謝しています。

 

お父さんの教えの通り、今も毎日練習は欠かさないのですね?

以前は、新しい1日の始まりとともにと思って、毎朝4時に起きて練習していましたが、今は3歳と3ヶ月になる娘が2人いてそんなわけにはいかず、朝は娘たちを起こさないようにとお風呂場で練習したりしています(笑) なかなか長時間続けて練習することはできませんが、隙間時間をみつけては必ず毎日練習はしています。

 

ちなみに、好きな歌手は誰ですか?

ジャズシンガーのグレゴリー・ポッターや、イギリスのジャズバンドのパッセンジャーが好きです。

 

ツアー後ハワイに戻ってきてからのライブの予定はありますか?

11月29日にブルーノートであります。

チケットはすでに発売中です。あとは、新しいCDも製作する予定なので、戻ってきたらレコーディングも始めます。アルバムタイトルは『Love is Love』と決まっています。ホノルルオーケストラのチェロリストや、インドのハンドドラム”タブラ”のプロと、僕のギターによるコラボレーションソングも収録する予定です。

iTunesで今までのアルバムも今から取りかかる新作も購入可能です。

 

ノースショアにお住まいだと、オフの日はサーフィンに行ったりするのですか?

いや、僕はサーフィンがすごい下手くそなんです(笑)

でも、フリーダイビングは好きです。すごく楽しいし、ピースフルなので。 海に飛び込んで、あの海の下の穏やかでピースな世界が好きなんです。

 

お気に入りのフリーダイビングのスポットはどこですか?

ワイメアです。

 

日本人観光客の方にもお薦めな場所はどこですか?

食事だと「ハレイワジョーズ」が好きですね!

 

最後にhawaii.jpの読者にメッセージをお願いします。

ハワイのノースショアからアロハ!

是非皆さんハワイに遊びに来て下さい。

また僕が日本に行ける日が来ることを願っています。

常に平和で、誰かを笑顔にする方法を見つけていきましょう!

 

 

Ron Artis II  2017年ハワイ ライブ情報


8月4日(土)ジャック・ジョンソン ベネフィットコンサート

場所: ワイキキシェル

時間 : 16:30〜

チケット予約: http://www.ticketmaster.com/Jack-Johnson-tickets/artist/754036?tm_link=homeA_hs_1&hsoon=1

11月29日(水)

場所: Blue Note Hawaii

時間:1st stage 18:30〜/ 2nd stage 21:00〜

チケット: $15〜$35

 

Ron Artis IIホームページ: http://www.ronartisii.com

ツアースケジュール詳細:http://www.ronartisii.com/tour/

Photo Credit: Michael Piccirilli

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